校長講話「江戸しぐさ」

   
 校長先生から「江戸しぐさ」についてのお話がありました。「江戸しぐさとは,江戸商人たちが築き上げた人の上に立つ者の行動を表したものです。江戸の人々は,お天道様にははずかしくないように行動することや,人のおかげで物事が成り立っているという考えを通して,真心もって人間関係を大切にしようとしていました。江戸時代は260年以上もの間,戦争のない平和な時代が続きました。その平和な安心な社会を支えたのがお互いに気持ちよくくらしていくための知恵である「江戸しぐさ」です。いくつか紹介します。「肩引き・蟹歩き」・・・せまい道ですれ違う時のしぐさ。「傘かしげ」・・・雨の日にすれ違う時に相手をぬらさないしぐさ。「こぶし腰うかせ」・・・複数の人が一緒にすわる時のしぐさ。「会釈のまなざし」・・・たがいに会釈してあいさつを交わすしぐさ。七三歩き」・・・自分の道は三分,相手の道は七分のしぐさ。「うかつあやまり」・・・お互いに「すみません」と謝るしぐさ。「束の間くじさ」・・・他人と一言二言あいさつを交わすしぐさ。「念入りしぐさ」・・・火の消し忘れや忘れ物を確認するしぐさ。などです。この「江戸しぐさ」から学ぶことは,「思い」は見えないけど「思いやり」は目に見えること。「心」は見えないけど,「心づかい」は目に見えることです。全校の皆さんもこの江戸しぐさのような気持ちをもって思いやりのある優しい行動をとってほしいと思います。」とお話されました。子供一人一人が興味深い表情で校長先生のお話を聞いていました。教室にかえって早速,江戸しぐさを実践する子供の様子も見られました。